シェアリングエネルギー社が提供している太陽光発電の無料設置サービス「シェアでんき」のメリット・デメリットを、電力自由化の専門家としてこれまでに多数のメディア取材を受けてきた私が解説します。

シェアでんきとは

まずは「シェアでんき」の概要を紹介します。

シェアリングエネルギー社が提供

冒頭でも紹介したように、シェアリングエネルギー社が提供している太陽光発電の無料設置サービスです。同社は分散型エネルギーの開発に力を入れているエネルギーテック企業で、ENEOSなども出資しています。プロパンガス料金の比較サイトなどを運営しているアイアンドシー・クルーズ社を創業した上村一行氏が創業した企業です。

シェアでんきのメリット

他社の無料設置サービスと比較しながらメリットを紹介します。

太陽光発電システムを無料で導入できる

通常、100万円以上の費用が掛かる太陽光発電システムを初期費用・月額利用料「0円」で導入することが出来ます。契約期間の当初10年を経過した後、所有権を無料で得ることが出来るサービスです。

ただし、既築に設置する場合は設置工事に必要な足場の設置費用を負担する必要がある場合がある、との注意書きがあります。

自家消費分の使用が一定量まで「無料」もしくは割安

太陽光発電の無料設置サービスでは、契約期間中は自家消費(売電せずに自宅で使用した電力)の分の電気料金も請求されるのが一般的です。

シェアでんきでは、最大2年間分の自家消費分の電気料金を「無料」としています。また、無料にならない自家消費分についても1kWhあたり22円と、電力会社から電気を購入するより割安な料金が設定されています。他社の無料設置サービスの自家消費分価格と比べても安価と言える設定です。

停電時には非常用電源として活用できる

契約期間中を含めて、停電時には発電した電力を自由に使うことが出来ます。これは他の多くの無料設置サービスと同様です。

専用のコンセントから最大1500Wの電源を取ることが出来ます。スマホの充電や、大型でないテレビの視聴程度なら十分可能です(晴れている昼間)

シェアでんきのデメリット

他社の無料設置サービスと比較してデメリットと言うべき点もあります。

契約期間満了後も指定の売電先への売電が必要

無料設置の契約期間自体は他社のサービスと同様に「10年」ですが、契約期間満了後からの10年は、シェアでんきが指定する売電先に余剰電力を売電する必要があります。このような契約期間満了後の「しばり」がある無料設置サービスは珍しいです。

契約期間満了後の11年目からは売電収入を得ることは出来ますが、自由に売電先を選べない点はデメリットと言えるでしょう。例えば、より高価格で売電できるサービスがあったとしても、その業者に売電することが出来ません。

一般的な無料設置サービスは10年経てば「後は自由」ですが、20年と長期間にわたり「しばり」が残る点はシェアでんきの大きなデメリットと言えます。

既築の場合は足場の設置費用が発生する場合がある

記事前半でも紹介しましたが、既築の場合は設置する際に足場を組む費用をユーザーが負担する場合があり、「初期表示が発生する」場合がある点は注意が必要です。

このように足場設置費用について公式サイトに明記している無料設置サービスは稀で、その点シェアでんきは良心的と言えます(見積もり時に後出しで言われる場合もありますから)

足場を組む鳶の工賃は安いものではないので、それなりにまとまった費用が発生する可能性がある点には注意が必要です。また、中にはこうした足場の設置費用も発生しないことを明記している無料設置サービスもあるので、それと比べると見劣りすることは否めないです。

シェアでんきを他社と比較する

以下の記事で他社の無料設置サービスと比較できます

太陽光発電無料設置の比較表