東京電力グループのTRENDE(トレンディ)が提供し、サニックスなどが代理店を務める「ほっとでんき」のメリット・デメリットを詳しく解説します。

「ほっとでんき」とは

まずはほっとでんきのサービスの概要や特徴を解説します。

東京電力グループのTRENDEが提供

TRENDEは2017年に東京電力グループのベンチャー企業として設立された企業です。「あしたでんき」のブランド名で全国の家庭に電力を販売しており、あしたでんきでは推定4万件の顧客を抱えています。

設立当初は本社を東京電力の本店内に置き、役員なども東京電力からの出向者が中心でしたが、現在は出光興産や伊藤忠商事、ドバイ水・電力庁などからも出資を受けて幅広い企業と協業しています。

テクノロジーを駆使した技術開発に力を入れており、トヨタ自動車や東京大学と共同で次世代電力システムの実証実験なども行っています。

提供エリアは

ほっとでんきは東京電力、中部電力、関西電力、九州電力のエリアで利用が可能です。その他の地域では利用ができません。

「ほっとでんき」のメリット

ほっとでんきにはどのようなメリットがあるのか。太陽光発電を購入する場合や他社の無料設置サービスと比較しながら解説します。

太陽光発電を無料で設置できる

「ほっとでんき」の最大のメリットは、太陽光発電システムを無料で設置できる点です。

一般的な住宅用の平均的な太陽光発電システムを購入する場合、100~150万円あるいはそれ以上の費用負担が発生します。「ほっとでんき」はそうした高額な初期費用、あるいはそれをまかなうために発生するローン金利の負担がありません。

月々の費用負担も電気料金以外に特に発生するものは無いため、ローンやリースと比べても負担は小さく済みます。

停電時に非常用電源としても活用が可能です。

電気代が安くなる

それに加え、ほっとでんきを契約するにあたってほっとでんきの専用の電気料金プランを契約する必要があります。このプランは大手電力会社の標準メニューと比べて最大で10%もしくは20%安くなる料金設定です。平均的な家庭で年間1万円もしくは2万円安くなるイメージです。

なお、ほっとでんきは「自家消費」分にも所定の電気代が発生するため、買電量は減らないイメージです。

「ほっとでんき」のデメリット

デメリットもあります。

途中解約すると高額な違約金が発生する

「ほっとでんき」は10年もしくは20年と長い契約期間が設定されています。もし契約期間中に解約する場合は、違約金を支払って発電システムを「買い取る」必要が生じます。

年数10年契約20年契約
1年93万円98万円
5年52万円78万円
9年10万円57万円
10年052万円
15年26万円
19年5万円
20年0

容量4.5kWの太陽光発電システムを「ほっとでんき」で設置した場合の違約金(買取額)です。年数が経過するごとに下がっていく仕組みです。

買取金額自体は自費で購入する場合と比べて高いものではなく、むしろ安価な価格と言えますが、解約時にまとまった金額を用意する必要があるため資金繰りには注意が必要です。

契約期間中は売電収入を得られない

ほっとでんきで発電された電力は、まず設置している建物で消費(自家消費)された後、残りは売電されます。その売電収入は利用者の懐には入らず、TRENDEの収益となります。

無料設置モデルは売電収入から設置費用を回収していくビジネスモデルであるため、このような仕組みを取っています。なお、契約期間終了後は利用者が売電収入を得ることが出来ます。

蓄電池やエネファームを設置できない

蓄電池やエネファームなどの創エネ機器を設置している建物には、「ほっとでんき」を導入することが出来ません。他の無料設置サービスにも同様の制約があります。

こうした機器との併用を考えている場合は、自費で購入する以外に選択肢が無いとも言えます。

オール電化の場合は電気代に要注意

ほっとでんきで提供されている専用の電気料金プランは、大手電力会社の標準メニュー(従量電灯)と比べて電気代が10%あるいは20%安くなる料金体系です。

一方、このプランは「オール電化プラン」ではないため、オール電化住宅で利用すると大手電力のオール電化プランと比べて電気代が高くなる場合があります。

10kVA契約、月480kWhを買電する場合の試算を紹介します。

電気代(月)
東京電力・従量電灯
(標準メニュー)
15515円
東京電力・スマートライフ
(オール電化プラン)
13800円
ほっとでんき・10年契約13964円
ほっとでんき・20年契約12412円

申し込み方法

正規代理店のサニックスほっとでんきの公式サイトから申込後、書類審査と現地調査を経て契約、工事という流れです。