オール電化住宅では、太陽光発電の無料設置サービスを導入しづらいと言える現状があります。オール電化住宅で利用する場合の注意点と、オール電化でも利用できる無料設置サービスを紹介します。

オール電化では利用しづらい無料設置サービス

なぜオール電化住宅では利用しづらいと言えるのか、その理由を解説します。

オール電化用料金プランが無いものが多い

太陽光発電の無料設置サービスを利用するにあたって、電気の購入先を専用のプランに変更する必要があるものがほとんどです。

ですがその料金メニューは、「オール電化プラン」ではないものが多いです。

オール電化で契約すると電気代で損する

オール電化住宅では、「オール電化プラン」を契約しないと電気代が高くなってしまいます。10kVA契約・月480kWhを使用する場合の料金を見てみましょう。

電力会社・プラン名月料金
東京電力・スマートライフ
(オール電化プラン)
13800円
東京電力・従量電灯C
(非オール電化の標準メニュー)
15515円
Looop未来発電・未来発電L
(非オール電化の無料設置用料金メニュー)
13920円

オール電化住宅はエコキュートや電気温水器で深夜に大量の電力を使用します。そうした特性にあわせて、オール電化プランは深夜の料金単価が大幅に安く設定されているのが特徴です(昼間は高い)

オール電化住宅で非オール電化プランを契約してしまうと、大手電力の「オール電化プラン」と比べて電気代が年間で数千円~数万円割高となってしまうため注意が必要です。

オール電化対応の太陽光発電無料設置サービス一覧

多くの無料設置サービスはオール電化料金プランを提供していませんが、一部にオール電化プランを提供している業者もあります。一覧で紹介します。

ジャパンソーラーリーシング

太陽光発電パネルの原材料の製造などを手掛けているアンフィニ社の太陽光発電無料設置サービスです。

無料設置サービスとしては珍しく、専用の電気料金メニューを契約する必要が無い、つまり他の電力会社と契約したまま導入できるプランを提供しています。

東京電力の電化上手や、関西電力の「はぴeタイム」など現在は新規契約を終了しているオール電化プランは、現行のオール電化と比べてもかなり割安です。そうしたプランを契約中で、太陽光発電の無料設置を検討している場合にメリットが大きくなるサービス内容となっています。

関連記事:ジャパンソーラーリーシングのメリット・デメリット

京セラ関電エナジー

太陽光パネルメーカーである京セラと関西電力の共同設立会社です。関東と中部電力エリアでサービスを提供しています。

東京電力や中部電力のオール電化プランである「スマートライフプラン」相当の電気料金プランを提供しており、オール電化住宅でも電気代が割高にならずに導入できる太陽光発電無料設置サービスです。

注意点としては、東京電力の「電化上手」や中部電力の「Eライフプラン」からの切り替えでは、電気代が年間で数万円程度割高となる恐れがあるためこれらのプランからの切り替えの場合は導入メリットが小さくなります。旧プランを契約している場合は、上で紹介したジャパンソーラーリーシングをおすすめします。

関連記事:京セラ関電エナジーの太陽光発電のメリット・デメリット

無料設置を利用しないというのも一つの手

購入した場合と遜色ない場合も

上でも紹介したように、現在新規契約が出来ないオール電化プランは、現行のオール電化プランと比べてかなり割安です。太陽光発電無料設置サービスを利用した場合、その割安な料金プランを手放さなくてはならなくなります(ジャパンソーラーリーシングは割安なプランとの組み合わせが可能)

仮に年間2万円、10年で20万円電気代が高くなってしまった場合、無料設置を利用するよりも購入して太陽光発電システムを設置した方が「お得」になる場合もあります。

太陽光発電は、同じメーカーの同じ商品でも購入する代理店によって価格差が1.5倍と大きいです(経産省太陽光発電競争力強化研究会2016年調査) 購入する場合は必ず一括見積りサイトを利用して価格をよく比較することをおすすめします。